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川島 寿人; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 木村 晴行; 中山 武*; 阿部 充志*; Darrow, D. S.*; JFT-2Mグループ
Nuclear Fusion, 41(3), p.257 - 263, 2001/03
被引用回数:37 パーセンタイル:72.51(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは先進材料プラズマ試験(AMTEX)計画として低放射化フェライト鋼(F82H)のプラズマへの適用性を研究している。第1段階として、フェライト鋼板(FB)をトロイダル磁場コイルと真空容器の間に挿入してトロイダル磁場リップルの低減を試験した。その結果、FB装着によってリップル率及びリップルによる高速イオン損失が明らかに低減されることがわかった。特にFB厚の最適化によって肩部のリップル率を0.07%まで下げられ、リップル捕捉によるイオン損失をほぼ零にできた。現在、FBを真空容器内部に部分的に設置し、プラズマへの適合性を予備的に調べている(第2段階)。これまでのところ、FBの強磁性によるプラズマ制御・安定性への悪影響や不純物放出等に関する問題点は見られておらず、かつ、高プラズマとの両立にとって有望な結果が得られている。
川島 寿人; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 谷 孝志; 井戸 毅; 伊世井 宣明; 小川 俊英; 上原 和也; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 76(6), p.585 - 592, 2000/06
JFT-2Mではフェライト鋼板(FB)をトロイダルコイルと真空容器の間に設置し、リップル低減化試験を実施している。磁場構造の計算及び磁気プローブ計測から、FB装着でリップル率が2.2%から1.1%に減少したことが実証された。高速イオンの損失を評価するため赤外線カメラで第一壁の温度を測定した。FB装着後、リップル捕捉損失領域の温度上昇は75から50に減少した。温度変化を熱負荷に換算すると、リップル捕捉損失パワーが半減したことがわかった。さらにプラズマ電流、トロイダル磁場、プラズマ位置を変化させ、リップル捕捉損失の安全係数、リップル率の依存性を調べ理論と矛盾しない結果を得た。そのほか、閉じ込めへの影響として、FB装着後Hモード中のトロイダル方向プラズマ回転が周辺で約2倍に速くなるなど良好な結果がもたらされた。
木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 井戸 毅*; 小川 俊英; 上原 和也; JFT-2Mグループ
JAERI-Conf 2000-004, p.77 - 80, 2000/03
JFT-2Mにおける先進材料プラズマ試験の一環であるフェライト鋼板(FB)設置によるトロイダル磁場リップル低減実験の成果を発表する。FBは基本モードと2倍モードの両方の磁場リップルを減少するよう最適化されている。FB装着後、磁場リップルが約50%に減少したことを磁気プローブの測定により確認した。これに伴い高速イオンのリップル損失(リップル捕捉(RT)損失、バナナドリフト(BD)損失)も減少した(RT損失はFB設置前の約50%に減少)。プラズマ電流とトロイダル磁場の値を変えることによりFB設置後のリップル損失の安全係数やリップル率依存性を調べ、RT損失は安全係数やリップル率の増加に伴い増加するが、BD損失は逆の振る舞いをすることを明らかにした。Hモードプラズマのトロイダル回転速度はFB設置後、顕著に増加した。
濱松 清隆; C.S.Chang*; 滝塚 知典; 安積 正史; 平山 俊雄; S.Cohen*; 谷 啓二*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(2), p.255 - 270, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:31.96(Physics, Fluids & Plasmas)イオン・サイクロトロン周波数帯(ICRF)の波動入射によりヘリウム・イオンを加熱し、トロイダル・リップル磁場捕捉粒子として排気できる可能性について数値解析を行った。プラズマ周辺領域において、He(+2)イオンと中性重水素の荷電交換を行わせHe(+1)とし、再電離するまでにICRF波で加熱しリップル捕捉粒子とし、リップル損失させることでヘリウム灰を選択的に排気する。具体的には、ICRF加熱とリップル磁場効果を取り入れた案内中心軌道追跡モンテカルロ・コードを用いてITER級の実形状のトカマク配位で数値シミュレーションを行った。解析の結果、排気に必要な波動パワーは10~15MWであり、また、真空容器外へ排出するためのダクトのサイズは1.3m0.7m程度であることを示した。
飛田 健次; 谷 啓二; 草間 義紀; 西谷 健夫; 池田 佳隆; 閨谷 譲; S.V.Konovalov*; 菊池 満; 小出 芳彦; 濱松 清隆; et al.
Nuclear Fusion, 35(12), p.1585 - 1591, 1995/00
被引用回数:68 パーセンタイル:88.25(Physics, Fluids & Plasmas)高速イオンのリップル輸送のモデルを検証するための実験をJT-60Uで行ってきた。リップルによって引き起こされる高速イオンの損失を中性子発生量の時間変化及び、第一壁への熱負荷から評価した。全リップル損失量、リップル捕捉・バナナドリフトによる部分損失量について実験と計測予測を比較した結果、いずれの損失量に対しても両者は一致した。この結果はリップル損失を支配する輸送が既存理論の枠内で良く説明されることを意味する。高速イオンの損失によってもたらされるプラズマ回転等の副次的効果についても述べる。
飛田 健次; 谷 啓二; 閨谷 譲; A.A.E.VanBlokland*; 三浦 早苗*; 藤田 隆明; 竹内 浩; 西谷 健夫; 松岡 守; 武智 学*
Physical Review Letters, 69(21), p.3060 - 3063, 1992/11
被引用回数:49 パーセンタイル:86.13(Physics, Multidisciplinary)JT-60U第一壁面の熱負荷を測定し、中性粒子入射によって供給された高速イオンのトロイダル磁場リップルに帰因する粒子損失を調べた。その熱負荷はトロイダル/ポロイダル両方向に局在化し、リップル率または安全係数の増大に伴って増加した。リップル損失の実験値は、軌道追跡モンテカルロ計算と良く一致した。しかしながら、熱負荷が最大となる位置を、実験と計算とで比較すると、両者にはわずかな差異が認められた。この結果は、リップル捕捉イオンの軌道が、プラズマ中の径方向電場によって偏向されていることを示す。